新作旧作問わず、今年観た映画の中で心に残ったやつを書き並べました。また、わかりやすく説明するため、各作品から想起される完璧超人始祖(『キン肉マン』に登場した最古の完璧超人たちの総称)を併記しているので参考にしてください。数字と順位が合致してないのが歯がゆいですが人生そんなもんです。
1.HiGH&LOW THE WORST
ド直球のヤンキー抗争を期待通りド満足の超絶アクションで描いてくれた。漫画作品とのコラボに主役級キャラの交代劇など、無理やり入れ込んだら作品自体を破綻させかねない要素がすべてプラスの方向に働いている。『WORST』キャラがとにかく魅力的、シナリオもザム3みたく「??????」とならないし初見でもぜんぜんOKな作り。最高。観客が観たいものに真正面から向き合ったパワーファイターっぷりは邦画界の完璧・肆式アビスマンと言ってよいだろう。
2.スパイダーマン:スパイダーバース
アメコミヒーロー映画なんて『Mr.フリーズの逆襲』以来観た記憶が無いおれのような人間でもバチバチに楽しめた熱血おもしろアニメ。「もうちょっと観たかった感」が絶妙で次作にも期待がかかる。攻守に隙の無いストロングスタイル、アメコミ映画界の完璧・漆式ガンマンといった趣がある。アメコミよく知らんけど。
3.ガールズ&パンツァー 最終章 第2話
完璧過ぎて何も言うことが無い。3話以降もこれ以上に完璧だったら完璧が飽和して逆流し世界の理が乱れて大変なことになる。これぞ完璧を体現した完璧、ゴールドマンと同じく完璧・壱式の名に相応しい。
4.怪怪怪怪物!
NETFRIXで視聴。いじめられっ子とヤンキーが、偶然人喰いのバケモノ娘を捕まえたことで秘密を共有する関係になる。が、激怒したバケモノの母親が娘を探し求めており…というお話。ドタバタや脳天気になりがちな学園スプラッタというジャンルで、ストレートに青春の悩みと痛みを押し出してきたストーリーに脱帽。繊細さと人情を捨てきれなかったがゆえに陥る狂気、その姿には完璧・拾式サイコマンを想起させるものがある。カルト級名作。
5.ハロウィン
伝説的スラッシャー映画の正統続編。怖さとかっこよさとバカバカしさが匠の技で絶妙にブレンドされており大満足の一品。『ハロウィン』リメイクに期待していた要素がほぼ全部詰まった、続編かくあるべしといった理想的な1作。求められた仕事をパーフェクトにこなした、ホラー映画界の完璧・参式ミラージュマンと言ってよい。
6.ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
正直なところ中盤までは「なんじゃこりゃ」と思っていたのだが、ギドラとの最終決戦、そしてラストシーンの迫力と格好よさは細かいツッコミどころをすべて吹き飛ばした。制作陣が本作で描きたかったであろうことが終盤でようやく理解でき、評価が覆った。エンディングも最高。「俺が思うゴジラはこうなんだよ!」という制作陣のエゴがすべてプラスに働いた好例。そのイイ意味での頑固っぷりは完璧・陸式ジャスティスマンに通じるものがある。
7.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
タランティーノのアレ。ここまで来るとさすがに「またこういうのかよ!」と言いたくなってしまうが、出演者がみんな楽しそうだったのでよかった。完璧・捌式シングマンにも匹敵する芸術家気質の真髄を見た。
8.ベイビー・ドライバー
NETFRIXで視聴。天才的な運転テクを持つ“逃がし屋”の青年と、ノーフューチャー過ぎる犯罪者の面々による銀行強盗計画を描く、ジュブナイル版『グランド・セフト・オート』みたいな話。嫌味たらしいほどに完璧な選曲、アクの強い殺し屋&強盗たちのキャラクター等、全編が見どころ聴きどころに溢れており目と耳が離せない。この卓越したスピード感は完璧・玖式カラスマンにも匹敵するほど。
9.八甲田山
午前10時の映画祭で視聴。曇天の冬空のごとく、どんよりと重苦しい雰囲気が2時間50分延々と続く。静かな狂気と絶望に満ち満ちた大傑作。こんな映画が邦画動員数1位になる時代があったとは…。どこまでも冷徹でどこまでも厳しい世界、それでも抗わざるを得ないその姿勢、完璧・弐式シルバーマンに通ずるところがある。
10.名探偵ピカチュウ
イベントをこなしてフラグを立てていくというゲームを意識し過ぎた物語には「ふつう」以外の感想が無いが、衝撃的なピカチュウも含めてビジュアル面の凝りっぷりは本当にすごく、ゲーム実写映画の到達点だと思う。ポケモンという扱いが難しいIPをここまで見事にアレンジした柔軟さ、完璧・伍式ペインマンの如くである。
以上です。キン肉マンのくだりは完全にいらなかったですが皆さんの映画ライフの参考になれば幸いです。