ジャッカルの日

世田谷の河童料理専門店「ジャッカル」店主の日記ブログ。

帰ってきたガス博士/『ハウス・ジャック・ビルド』

 7月上旬は労働修羅場が続いたせいで死んでおり、日々の楽しみと言えば帰宅してフォーナインを飲むかちくわに釘を詰めるかしかなかったのだが、それ以外で言うならやっぱり『Fallout4』ですね。これがまた面白ぇんですよアナタ。以前Xbox oneで遊んだときのことを思い出して「あ~、ここの犬を追いかけるクエストやたら長かったよな~」とか懐かしく思ったり、ダウンロードコンテンツ版のクエストを新鮮な感じで楽しんだりしているので睡眠時間が一気に削られてしまいました。おかげで朝は寝坊がち、労働は修羅場となり、日々の楽しみと言えばフォーナインかちくわに釘を詰めるくらいしかなかったのだが(略)

 


 

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 それはそれとして『ハウス・ジャック・ビルド』を観てきた。サイコパス殺人鬼が語る5つのエピソードからなる連作で、スラッシャーものにしては2時間半と長丁場。個人的に作品自体はそこそこ面白かったのだが、劇場が寒すぎて眩暈と頭痛と吐き気と冷や汗に苛まされながら観ていたので最悪に近い映画体験だった。毎晩フォーナインを飲んだりはんぺんに釘を刺したりしているとこうなる。


 ジャックは建築士志望のさえない技師。ヒッチハイクで乗せた女(ユマ・サーマン)があまりにも失礼だったためついなぐり殺してしまう。死体はなぜか所有しているピザ冷凍倉庫に保存することにしたので安心だった(第1話)。何かがハジけたジャックは、以降も殺人を繰り返すようになるのだが、その手際の悪いこと悪いこと。身寄りのない老人に狙いを定め「警察です!家に入れてください!」などとのたまうが、元が神経質で潔癖症、挙動不審の陰キャなのでメチャクチャに怪しまれる。なんとか家に入り込んで老婆を絞殺、首尾よく逃げ出そうとするが「ひょっとしたら血痕が残っているのでは?」と気になってしまい、何度も現場に戻っては家の中をしらみつぶしにする悠長さ。スラッシャー映画でこんなドキドキハラハラはある意味新鮮であった(第2話)。
 殺人を繰り返すうちに一皮剥けたジャックは身なりも整ったイケメンへと生まれ変わる。母親と幼い兄弟の3人を猟体験ピクニックへと連れ出し、一家を獲物として撃ち殺す。全編通してサイコパス殺人鬼の美技を披露してくれるのはここくらいであり、こういうパートをもう少し見たかった(第3話)。
 こうしたジャックの語るエピソードの合間に、「聞き手」となる謎の人物との会話が挿入される。ジャックのわけのわからん独りよがりな論説に加え、「家を建てたいけどなかなかうまくいかないよ~」という泣き言が延々と続く。
 続いて「俺だって恋をした」と語り出すジャック。すでにジャックの凶行は殺人鬼「ミスター洗練」の仕業として世に知られていた。教養は無いが賢い女性と付き合っていたジャックだったが「ワシこそがミスター洗練じゃあぁ~~~!」とブチ撒けてしまったし、もういいやという気になったので殺した(第4話)。聞き手から「お前、さっきから女を殺した話しかしないのな」と言われたジャックは「男も殺しとるわい!」と、彼の最後となった殺人の話を語り始める(第5話)。

 全編を通して意味ありげな伏線やモチーフを散りばめているが、そんなもんはオマケに過ぎない映画である。なぜジャックは家に固執しているのかかとか、本作のタイトルの元ネタとなったマザーグースの『This is The House That Jack Built』という詩だとか、「聞き手」の正体はアレなんだヨとか、考察できそうな点はいろいろあるのだが、劇場が寒すぎてそんなもんを考えながら観ている余裕がなかった。だからこれは純粋に悪趣味を楽しむ映画! それ以上でもそれ以下でも無い、と思いまんた。正直な話、ジャックが最後に完成させた「家」については予想できる範囲であったし、殺人鬼の“匠”の技をもっと観たかった気はするが、それを差し引いてもヘンな映画を観たという満足感は十分でした。ただ劇場よりは、寒くなくて快適なおウチでの観賞をお勧めします。長いし。マジ寒かったし帰ってから寝込んだ。