ジャッカルの日

漫画・ゲーム・映画・怪奇についてバカが感想と考察を書く

【特集】2018/11/26文学フリマ東京出品の新刊が我ながら面白い【booth】

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 つーわけで、第二十七回文学フリマ東京に出した新刊「二級河川20 Past Future Past」boothで通販開始いたしましたヨッ。既刊のうち14、15、17号は完売御礼、18号も残りわずか。売り切れ分はpdf販売なども考えておりますので、いずれ。

kinyuukai.booth.pm

 

 イベント終了後になんですが、今回の新刊について個人的な感想だの解説だのを書いていきます。先週はアパラチア探索で忙しかったので…。

 ちなみに「二級河川」は毎回テーマ(レトロゲームだのグルメだの宗教漫画だの)を決めてその内容に沿った記事を載せるのが通例だったが、この号は「ノーテーマ」である。テーマ無しでも成立するんじゃ? という実験的な試みでしたが、普通に成立することがわかったし、記事のジャンルも広がったのでよかったのでは?

 

【もくじ】

 

■表紙・裏表紙

 今回は会誌20号・20周年記念号つーことで、過去の号の表紙がディケイトばりに総登場しています。著作権的にヤバげなやつは小さめに載せているので目をつぶってください。サブタイトル決めは最後まで揉めました。どれだけ難航していたかは当時のSkypeログから大体推察できるかと思います。

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■平成の次の元号を当ててハワイに行こう![ジャッカル佐崎]

 拙文。初稿完成後に読み返してみたところ、あまりにもバカバカしかったので「元号と法律」「元号まめちしき」など教養を感じさせる部位を付け加えてみたが、まったく印象が変わらなかったので諦めた。おしっこにワインを混ぜてもワインにはならない。ちなみにおれが希望する次の元号は「機械化」です。


■帰ってきた!珍名馬券探券隊[束スポ競馬班(日月神/シ青水)]

 へんな名前の競走馬の馬券を実際に買ったり、負けたりしているある意味体当たり企画。「オレハマッテルゼ」「アバオアクー」「セガールモチンモク」「モチ」「タコ」

…。『ダビスタ』が作業プレイになってきた辺りでつけたようなざっくばらんが過ぎるお馬さんたちの名前がぞろぞろ出てきます。7年前の「二級河川11号」に載った原稿の続編。

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■銀牙以外の高橋よしひろ先生作品解説[きしもと “ケモナー” げん]

 犬が喋るまんがで有名な高橋よしひろ先生の、犬が喋ったり喋らなかったりする各著作のレビュー。犬専門まんが家みたいに思われている先生だが、野球モノ、サバイバルモノ、刑事モノと多岐にわたるジャンルを手掛けていることがよくわかる。とは言えやっぱ心に残るのは『甲冑の戦士雅武』とかだったりするんですが。

 

セパマニア ~ Sepaktakraw Mania ~[シンタロー]

 オタクにはどうにもなじみが薄いスポーツ「セパタクロー」について語る連載。2018年はセパタクローにとって歴史的な1年だったという事実、皆さんご存知でしたか!?

 

■Steamで脳汁爆発 ゆかいなおしごとシミュレーションゲーム[黒江ヨチ]

 Steamで配信されている入国審査官ゲーム「Papers, Please」、緊急通報番号の指令オペレーターゲーム「911 Operator 」のレビュー。Steamならではとしか言いようがないニッチな題材。この界隈は金鉱というか、お宝が眠り過ぎていて逆に手を付けづらい気がするほどなのでありがたい記事。入国審査官ゲーム、ちゃんとシナリオ(しかも、プレイヤーに葛藤を生じさせそうな内容)があるのが興味深い。

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■君は黒歴史ノートを見たか?[村長]

 本誌の表紙なども手掛ける絵師の村長氏が、自らの15年前の黒歴史ノートを極限大公開するという自爆テロ。どうコメントしろっていうんですか! 自作キャラに『スパロボ』ばりの精神コマンドを設定しているところとか卒倒しかけた(身に覚えがあり過ぎて)。

 

■ドカベン プロ野球編 オフシーズンを中心に振り返る[すくみづ]

 今号で初参加していただいたゲスト、すくみづさんの原稿だ~~! 超うれしい! すくみづ氏はサークル「わがはじ!」主宰。過去の文学フリマでたまたまブースが隣席だったのがご縁で知り合ったのだが、氏が個人で作成しているという同人誌「'00/25」のクオリティの高さ…題材選びのセンス、取材力、構成力、デザイン力、もう見習うしかない凄みの塊なので、これはもう是非手に取っていただきたい。

www.wagahaji.com

 今回は誰でも名前は知ってる野球漫画『ドカベン』について取り上げて頂いたのだが、通算200巻以上ある『ドカベン』の中でも『プロ野球編』、しかも試合とは直接関係ない「オフシーズン期間」についてのレビューである。「なんでやねん」という気になるがそこはベテラン水島御大、ラブコメ展開、清原・松坂といった実在選手との絡み、まさかのゴルフ編など見どころ満載なのであった。

 

■DDR の栄光[Fear ウルフ]

 我らの会誌が20周年、そして往年の名作音ゲー『ダンスダンスレボリューション』も20周年…というエッセイ原稿。未だにゲーセン行くと置いてあったりするからスゲェよな。

 

■その男、鋼鉄(クロガネ)と熱血とメガネっ子~飯島祐輔に関する一考[TANDM]

 2010年に急逝した漫画家、飯島祐輔についてのレビューエッセイ。ミリタリー趣味に加えゲーム、アニメ、エロ、特撮に精通した絵に描いたようなオタクであり、「知る人ぞ知る」という立ち位置が似合い過ぎる漫画家であった氏の功績を語る。

 

■無何有之郷の人 渡辺修二郎・伝(第1回)[堀川秋海]

 たぶん誰も知らないであろう文筆家、渡辺修二郎についての調査研究報告。Wikipediaにも載っていない情報がサラリと掲載される「二級河川」の面目躍如といった内容の真面目な記事。


■『トーハン週報』に掲載された訃報一覧(不完全版)[トム・リバーフィールド]

いつからか会誌の定番となった人名リストシリーズ。会誌の人気連載の1つ。正直なところ、個人的には意義はともかく意図と意味がさっぱりわからないのだが、やってないRPGの攻略本の敵データを読んでも理解できないのと同様で、プレイ中の人には興味深く役立つものであろうと思われます。


■金腐川宴游会を振り返る 会誌二級河川20年史

 「二級河川」の12号以前は一般的には流通していないため、「今回で20号! 20年の歴史ある由緒正しい雑誌です!」と主張しても妄言と取られかねない。今回のこの「20年史」の登場で、「20号も出ているなんてウソだろう」「オタクの脳内設定じゃないの(笑)」「キミは突飛で面白いことばかり考えるから、マンガ家にでもなりたまえ」などと言われ枕を涙で濡らす日々も終わります。本人ら以外が読んで面白いかどうかはともかく大変貴重なアレです。

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 はい、いかがだったでしょうか。字、多いぞ~~! 読み終えるのに時間かかるぞ~! 前述の通り、テーマを設けなかったぶん「雑誌としての雑さ」が極まり、それが読みごたえに通じているので奇跡みたいな出来だと思います。とは言えノーテーマだと「宣伝しにくい」ということもわかってしまったので、次号以降はまた特集記事もいろいろやっていく予定です。

 

 同人誌づくり、本当楽しいな。