ジャッカルの日

世田谷の河童料理専門店「ジャッカル」店主の日記ブログ。

偽りの墓碑銘(エピタフ)/『ビッグフットvsゾンビ』

 銃を振りかざす暴漢を打ちのめし、再起不能になるまで痛めつけたため過剰防衛として収監されていたおれのことを、組は特別待遇で迎えてくれた。あの時、暴漢に襲われていた老人が組織の顔役だったとは…。ま、これから世話んなりますワ! 皆に挨拶しにいったものの、カップに尿を注がれ、おれの茶が飲めんのかいと先輩に難癖をつけられた。こんなこともあろうかと前歯を抜いて干しクラゲに取り替えていたのだが、普通に唇や口中に尿が触れて最悪な気分だったし「チンチン小さいっすね」の一言が先輩の逆鱗に触れ、残っていた歯が全折れするまで袋叩きにされた。今にも落ちてきそうな空の下で…。

 


 

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 『ビッグフットvsゾンビ』観る。「これ、予算の少ないバカ映画なんですよう。エッヘッヘッヘ。でも、君たちこういうの好きだし温かい目で観てくれるよネ?」みたいな制作側の甘えが見えて不快。まあ観ちゃったけどね。こういうAmazonで買えるパーティーグッズだけで特殊効果を済ませたような映画がDVDになり、世界中で鑑賞されてるのは確かにスゴいよな。制作陣もスタミナ苑で打ち上げできるくらいの収入は得られただろう。
 風光明媚な山の中…「アルペン家族旅行村」みたいなキャンプ場、せいぜい高尾山くらいの標高にビッグフットが出現。あとゾンビも発生したが、ビッグフットは死体農場に勤めるヒロインに惚れてしまい、ゾンビに立ち向かっていく(死体農場とはいかなる施設なのか、作中で説明されるがイマイチよくわからない)。このビッグフット、はっきり言って弱い。身長はヒロインより少し低い程度。逃げる際はビッグフットが率先して道を切り開いていく。それは人間側の冴えないオタク主人公がやるべきことで、ビッグフットは大暴れして人目(ゾンビ目)を惹きつけるとかでよかったのでは。 
 登場人物は7割がメガネで8割がさえない中年男性、ヒロインは「ミスあけぼの商店街」みたいなネェちゃん。ゾンビ連中は映画出演に張り切ったのか、洗濯したての一張羅で熱演しているため腐敗感は皆無、ジョジョ立ちしてるオタクにしか見えない。
 あと本作は自動車が映る時間がやたら長い。本作には3台の自動車が登場するが、とにかくよく映る。キャストの誰かの愛車なのだろうか。普通に考えればゾンビの群れを突っ切るのに自動車ほど適したものは無く、乗れた時点で大勝利確定なので普通は「ガソリンが無い」だの「キーが無い」だのの縛りを設けるはずなのだが、本作では「キーが無いけど、配線をいじったら動いたぜ」みたいなノリで延々登場人物が自動車を乗り回す。ビッグフット退治の時も自動車に乗っていく。ゾンビの死体を運ぶときも自動車を延々映している。「お話的には徒歩のほうが緊張感あるのでは?」という場面でもだいたい自動車を使っている。愛車家か。ゾンビと猿と自動車が好きな人にオススメ!