ジャッカルの日

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【特集】「二級河川」第二十六回文学フリマ東京・新刊とバックナンバーのまとめ

 第二十六回文学フリマ東京(5月6日)に出る新刊「二級河川19 ファミコン無頼」の紹介~ッ! ついでにバックナンバーについてもおれ目線から解説します。宣伝すっぞ! 宣伝! 既刊もこんなに溜まっちゃってるんだから、もう…。

 

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 おれは「金腐川宴游会」というサークルに参加している。ここは石川県・S高校のコンピューター部のOBが中心となって作った会で(おれはS高校出身でも石川生まれでもないが、参加させて頂いている。なんでだろう)、たまに集まっては泥酔したり記憶を無くしたりするのをおもな活動としている。会の発足当時はインターネットというものは存在せず(これは嘘。すでに普及していた)、会員間で連絡を取る手段も皆無だった(これは嘘。実際に顔を合わせたり電話等でコミュニケーションを取っていた)。そこで生まれたのが会員の“現状”を報告するため、自分がいまハマっていることやおすすめの漫画・CD・ゲームなどを紹介するサークル誌、その名も「二級河川」である。

 おれみたいな門外漢が参加している時点で自由なサークルであり、「二級河川」も各人が好きなものを書いて好きに出している。漫画、映画、文学、ゲーム、音楽、スポーツ、歴史、軍事、グルメ、街ネタ、鉄道、プラモ…ジャンルは何でもあり、なにかしらのテーマを決めてそれに沿った原稿を募集することもある。各人の好き放題を総合した結果「雑誌」として文学フリマに出品、ぶっちゃけ全然文学ではないものの、有難いことにそこそこの好評を博している。

 

 前置きはともかく、新刊の「二級河川19 ファミコン無頼」と、そこそこ在庫があるバックナンバーについて紹介していこう。

 

■二級河川 1号~12号

・初期の「二級河川」は有機物のどろどろしたスープのようなものから発生しました。知性は無く、本能的な欲求に従い集団で狩りを行っていたと推測されます。

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↑左から11号、7号、8号、12号、4号、3号、6号、10号、1号、2号、9号、5号の順。(小さい個体は別冊)

 

二級河川13
テーマ:郷土の偉人と珍スポ

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・第一回文学フリマ金沢(2015年)に出品。我々が文学フリマで活動するきっかけであり、初めて対外を意識しつつ作った1冊。こーいうイベントに出るのは初めてのメンバーも多く、この号は調子に乗って刷り過ぎたのでわりとエラいことになった。
・12号までの自選集「二級河川リサイクル」も同時刊行。これも刷り過ぎてエラいことになった。
・テーマは「北陸ネタ」。巻頭は金沢出身のライトノベル作家、鷹山誠一氏(代表作『百錬の覇王と聖約の戦乙女』が2018年7月にアニメ化)。インタビュアーとして、鷹山氏の元クラスメイトである当会のメンバー3人が好き勝手な事を聞いている。普通、「お前のキャラの名前はカタカナばっかりで覚ええにくい」みたいなこと作家相手のインタビューで言います?


二級河川14
テーマ:宗教漫画

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・新刊として出して以来コンスタントに売れ続けている1冊で、たしか3刷まで出ている(現在は在庫ゼロ)。表紙のカッコよさと手に取りやすさは随一では?
・宗教漫画ってこれだけバラエティに富んでいるのか~、と作り手側からも目からウロコだった。おれは巻頭の「宗教漫画クロスレビュー」のみ参加。あと「宗教マンガ裁判」記事用に『蓮華伝説』(つのだじろう)を提供している。あまりにイカれた内容だったため、同記事の担当でつのだファンの岸本くんがツラそうだった。本当にヤバいよ、これ。


二級河川15 古本仁義
テーマ:古本

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・古本好きの豪華ゲスト陣に協力を仰いだ1冊。内輪で固まりがちな当誌にとっては新鮮でした。
・持ち寄ったサイン本で役を作る「サイン本ポーカー」は、唐沢俊一がかつて漫画でネタにしていた“有名人ポーカー”に倣った企画。「同じ罪状で捕まった人フォーカード」だの「CDを出したことのある漫画家3人と漫画を描いたことのあるミュージシャン2人のフルハウス」だの、無限に役を作れるのでみんなもやってみよう。
・サブタイトルが付くようになったのはこの号より。「古本仁義」は3秒で決まったが、以降は案を持ち寄ってコンペするなど、皆でわりと真面目に考えている。アウトロー感のある単語が多い。
・13、14号ではあまり参加できなかったぶん、個人的にがんばった号。全体の編集を担当し、「サイン本ポーカー」の構成も行った。おれ個人の原稿はスケベライトノベル「ナポレオン文庫」レビューと「やまがたすみこのアニソン」話。どちらもお気に入り。


二級河川16 翔べ! グルメうらごろし
テーマ:食

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・新刊としてはけっこうな売れ行きだったので、皆「この方向性でイケる」と確信した1冊だったように思う。

・シンプルかつ完璧な表紙。画像のやきとり重は「やきとりの名門 秋吉」のもの。秋吉は昔、メンバーでよく通っていた店。最近でもたまに行くが、胃がアレなのでかつてほどの本数は食べられない。
・巻頭メインはグルメ漫画特集。巻頭の「グルメ漫画不完全リスト」は今見ても力作だが、この号の刊行後も『人魚姫のごめんねごはん』『野原ひろしの昼メシの流儀』『ぺろり!スタグル旅』などバンバン新作が登場したため、現在ならさらに30作くらいは追加されそうだ。
・おれ名義の記事は2本。「読んだ気になれる!『美味しんぼ』全話100文字レビュー【前編】」を書くために休日は漫画喫茶に通い詰めだった。当初は全巻やるつもりだったが、2時間ではどんなに頑張っても3~4巻分を書くので精一杯だったので早々に諦めました。途中からデタラメを交えて書くようにしたらスピードは上がりました(資料的価値はゼロになった)。アホほど文字を詰め込んでいるのは往年のサブカル雑誌「GON!」リスペクト。
・もう1本の「バターコーヒーで10kgダイエット」、記事内に完全に無駄なノイズがあるが、この頃L・P・ハートリーの『ポドロ島』という怪奇小説を読んで感銘を受けたため、それに影響されている(「全然ちゃうやんけ」という指摘は甘んじて受け入れます)。


二級河川17 動物番長やらずぶったくり
テーマ:動物

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・動物というテーマはかなり早くから決まっていたが、作成中に『けものフレンズ』が大ヒット、メンバー内でも流行っていたのだが、それをダイレクトに反映させる余裕がなかったのが少々惜しい。表紙は『子猫物語』のかなり忠実なパロディなのだが、80年代以降生まれの読者にはまったく通じていなかった。サブタイトルと絵柄とデザインと題材の消化不良っぷりがすごい。
・「動物ネタなんて思いつかねえよ」というメンバーがほとんどだったが、結果的に見れば7割くらい動物関連の記事で埋まっている。ちなみに毎号のテーマは、新刊出した打ち上げの席でなんとなく決められています(泥酔した脳で)。
・おれは「終わってるどうぶつ漫画10選」という記事を書いたが、タイトルはぶっちゃけフカシであり、『BEASTERS』『ぶんぶくたぬきのティーパーティ』の2作を紹介できただけで満足。


二級河川18 地獄・極楽懐ゲー攻め!
テーマ:レトロゲーム

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・表紙は「ファミコン通信」創刊号と、ナムコの「ワルキューレ」と「サンドラ」のパロディ。表紙案として、担当の村長氏からは採用されたものよりも少しエッチなものが挙がってきたが、わりとエッチだったのでエッチじゃないほうに決まりました。
・サブタイトルも含め、あちこちに『ウルトラファイト』ネタが仕込まれている。
・この頃『ストバスヤロウ将』という誰も知らないバスケ漫画&ゲームに執心だったので、それについて書いたのが「『明日やろう』はストバスヤロウ」。なんで『ストバスヤロウ将』にここまで固執していたかは忘れた。今、この記事を読み返すと少々手厳しすぎるようにも思うが、マジでポリアンナがよかった探しを笑顔で拒否するレベルの原作なので…。
・逆噴射聡一郎文体のパロディで『所さんのまもるもせめるも』を褒めちぎる記事も書いた。出来はともかく、あまりにも書きやすかった&多少の誤字は校正しないで済むので便利だなと思いまんた。

 

二級河川19 ファミコン無頼
テーマ:レトロゲーム

 

・はい、こちらが第二十六回文学フリマ東京の新刊ッッッ!!!

 

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・まだまだ語りつくせてねぇ、ということで2号連続のゲームネタ(おれ自身は前号で語りつくした)。今までの会誌の中でももっとも分厚い大ボリュームの1冊。
・巻頭特集は「徳間書店ファミコンゲームの世界 禁断のクロスレビュー」。ゲーム雑誌って人さまンとこの商品を偉そうにコキ降ろしてるけど、お前らが作ったゲームはさぞかし面白いんでしょうなァ~~~? といういきさつで(だったかとうかは忘れたが)、徳間書店のファミコンソフトクロスレビューという企画をやった。なんでアスキー(KADOKAWA)にしなかったのかというと、そっちは普通に良作を出しているので…。プレイ時間が長めのゲームも多かったし(ツクール系とか)。そういうわけで表紙は徳間書店のゲームの主要キャラたちです。いろいろと大丈夫か。

・ファミコンネタを中心に資料性の高い記事を収録。バンダイのファミコンカセット(『キン肉マンマッスルタッグマッチ』『ドラゴンボール 神龍の謎』)はなんであんなに丸みを帯びていたの? アイレムの『魔鐘』や『スペランカーⅡ』のカセットについてた発光ダイオードはなんだったの? 等のカセット形状のひみつが丸わかりの貴重資料写真が満載「カートリッジ・オリジナリティ」。「マリオ3のワールド8の飛行船はパタパタの羽でクリアする」、「ゲゲゲの鬼太郎妖怪大魔境の2面のボスに子泣きじじいを使ったら、高い位置で固定されてしまい攻撃が当たらなくなったことがある」など、人生の役に立たないあるあるネタを詰め込んだ「ファミコン256連打」など、お役立ちor役に立たないがヒマつぶしにはなる記事が満載なので見てみてつかあさいね。

 

 ■せんでん

 13号以降の「二級河川」バックナンバーは、BOOTHで通販を始める予定。在庫減ってくれ~! コタツ布団押し入れにしまいた~い! 送料等でちょい割高になってしまい申し訳ないのですが、通販では特典ぺーパー等のおまけを考えております。

 もちろん、イベント参加は今後も続けます。イベント会場では1冊500円の特別価格で販売しているので、機会があればぜひ足を運んで頂ければ! おれは非常に接客が苦手なので基本『遊戯王デュエルリンクス』をプレイしながらの対応になりますし、手札事故で舌打ち等もしょっちゅうですが、他のメンバーは気さくに受け答えしてくれますのでごあんしんください。

 

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