ジャッカルの日

世田谷の河童料理専門店「ジャッカル」店主の日記ブログ。

【特集】今年読んだまんが2017

 俺マン2017。以前選んだタイトル、未単行本化のタイトルは外そうとする意識が働いてしまうので『キン肉マン』『わたモテ』『衛府の七忍』『trash』『サイコ工場』『BEASTERS』なんかは入ってません。すみません。

 

1.『ライト姉妹 ヒキコモリの妹を小卒で小説家にする姉と無職の姉に小卒で小説家にされるヒキコモリの妹』谷川ニコ
 クソカスみたいな長いサブタイトルも含め、ライトノベルネタに塗れた1冊。ていうか、おれ最近のなろう小説とか全然読んでないんだけど、こういう扱いでいいんですかね…? 内容はサブタイトルのまんまです。おねいちゃん(そこそこ美人だが無職)が中学生の妹(クソオタ。文章センスは致命的)をラノベ作家に仕立て上げるためいろいろ頑張った結果、「美少女中学生売れっ子レズなろうラノベ作家」とかも出てきて混迷の極みとなる展開です。
 作者の谷川ニコ先生、連載中の『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』がクッソ最高ヤバ過ぎて読んでる身としては「フォォォォ」と悶えるしかなかったんですが、この『ライト姉妹』とか『クズとメガネと文学少女(偽)』とかも良さの極みでした。

 

2.『魔装番長バンガイスト』霧隠サブロー
 「待望の単行本化」という意味ではやはりコレである。作者の霧隠サブローことメキシカン忍者先生は、おれに「ツイッターのなんでもアリさ」と「インディーズWeb漫画の面白さ」を示してくれた人で、失業と男性生殖器を基に破天荒(この“破”は“極限大怒張でブリーフが破れる”の“破”を意味する)なネタを展開するその姿、それまでクソ煮込みうどんどしか認識していなかったツイッターも「悪くはないかもしれないな…」と思わせてくれたものだ。霧隠先生の傑作「ヘルクエスト」「ウルトラセブン」などは公式サイト「メキシカン忍法帖」から読むことができる。
 『魔装番長バンガイスト』は霧隠先生が好きなもの(特撮、プロレス、バイク、金玉、パンツ等)をなんのテライもなく前面に押し出した結果、唯一無二の「熱血ほのぼの金玉プロレス漫画」と化した。君は刻の涙と奇跡を見る…!

 

 3.『淫行をさせる行為』浦井民
 成年コミック。コミックLO作家の浦井民の最新刊。浦井先生はドエロリ漫画の中にどうしても「癖のあるキャラ」を入れたがる性分で、本来エロ漫画としてはノイズになるであろう「癖のある性格」「癖のある背景」のキャラたちが、読んでくうちに病みつきになってくる。過去の単行本ではなぜか未収録だった傑作「たけのこがり」がちゃんと入ってる点もポイント高い。

 

www.akaneshinsha.co.jp

 

4.『10歳かあさん』小路啓之
 2016年10月に急逝した小路先生の、『雑草家族」と並んでの遺作。未完結。
 全作品を追っかけていた身としてはあまりに早すぎた。小路作品についてはどこかの機会でしっかりまとめたいと思っている。

 

5.『(株)』渡辺電機(株)
 電子書籍で通読。連載開始したのは1999年だが、一気読みできたのは今年なので…。冬にインフルエンザだか腸炎だかで寝込んでいた時、ヒマでしょうがないのでKindle Fireで読んでいたのがこの『(株)』(かっこかぶ)でした。何度でもエンドレスで読み返せる、ほのぼのかわいらしい絵柄、えげつないド下ネタの嵐…。永久に読んでいられるし、リピートで読み過ぎて脳に染み付いたっつーの。『アイアムアヒーロー』の1巻で、主人公が「中川いさみ先生の単行本は魔を払うんだよ」つって『クマのプー太郎』で結界を作るシーンがありますが、おれもゾンビアポカリプスが到来した時は「渡辺電機(株)先生の本は魔を払うような気がしないでもない」つって『ゾンビな毎日』で結界を作ってそのまま噛まれ死のうかと思います。

 

6.『ぶんぶくたぬきのティーパーティ』森長あやみ
 化け狸の一家と、あと化け狐とか化け猫とかコウモリとか、そういう女学生が可愛いし最近4巻も出たのでガタガタ言わずに読んでください。まんだらけWebコミックラザで読めるから。ふみのラバスト超可愛いな。単行本はまんだらけ通販がオススメ。

 

7.青春兵器ナンバーワン長谷川智広
 週刊少年ジャンプ連載のストーリーギャグ。「ジャンプにはこういう漫画がなきゃダメだよな~」って枠のアレ。お手本のようなアレなので読んでて安心します。最高。

 

8.『ヴィジランテ 僕のヒーローアカデミアILLEGALS』古橋秀之別天荒人
 今まで楽しく読んでたのに、今年一気に微妙極まりない展開になった漫画と言えば『僕のヒーローアカデミア』ですが(個人調べ)、スピンオフ作品のこちらはスカっとできる快作になっているので良いしケツも出ています。ヒロインのケツがすごい。本当にすごい。

 

9.『サウエとラップ ~自由形~』サイプレス上野・陸井栄史
 週刊少年チャンピオン連載の傑作ポコチンウンポコ美少女青春ギャグ『いきいきごんぼ』の作者が帰ってきた! しかも今流行の「フリースタイルラップ」を漫画で再現~! という触れ込みだったが、ハードルが高すぎて誰のせいでもないけどパッとしなかった感がある作品。漫画内のQRコードを読み込めば、サイプレス上野監修のラップバトルが動画で流れるよ! という仕掛けは豪華っちゃあ豪華だけど、まあ企画先行感がキッツいよねという。でも漫画もラップも面白かったんです! マジで! 1巻しか出てない秋田書店仕打ち。

 

10.『言ったよきいちゃん!』コニシリュウイチ

 人の話を聞いてないOL、きいちゃんが巻き起こすアレをアレする4コマなんですが、きいちゃんが「人の話を聞いたうえで的確にボケる」キャラにだんだんなってきたせいで初期設定との剥離を感じます。それはそれとして1コマに1ギャグを詰め込む密度の高さ、単純な太めの線で描かれているのに妙なエロスを醸し出すキャラたち等、一部の方の琴線にはド触れすると思います。ド触れフレンズ。

 

 いじょうです。『月曜日の友達』とか『本田鹿の子の本棚』とか入らなかったので12進法の世界に生まれればちょうどよかったですね。