ジャッカルの日

世田谷の河童料理専門店「ジャッカル」店主の日記ブログ。

虚空の呼び声/『特急指令ソルブレイン』

 12月に入ってからというもの、身体が痒くてしょうがない。乾燥肌でしょうか。そうでなければ、遺跡から持ち帰ったこの石像のせいでしょうか。痒いので無意識につい体をかきむしってしまうのだが、そのかきむしり跡を線でつないでみたところ、浮かび上がったのは旧支配者の再来を告げる冒涜的な文章…ということは特になく「鳥貴族 全店舗価格改定についてのお知らせ」だったと聞きます。

 


 

 Amazonプライムの『特急指令ソルブレイン』が、いつの間にか会員特典の観放題から外れていた。いやまあ1話100円というのは妥当な値段だと思うんだが、観放題が終わる時期がわかりにくいので。

 ソルブレインは『宇宙刑事ギャバン』から始まる東映メタルヒーローシリーズの10作目。メタルヒーローシリーズ、『シャイダー』辺りはマンネリ感がヤバくてアニーのパンツが最大の見どころくらいのレベルだったのだが、『ソルブレイン』はじめとするレスキューポリスシリーズは「もうこれ普通の刑事ドラマじゃん」的な渋さと地味さが特徴。一般的な「特撮ヒーロー」とは異なる作風を確立している。敵組織の怪人とかは出てこず、強化スーツの主人公らが立ち向かうのはほぼ生身の犯罪者で、彼らは「人間の心を救うため」の戦いに身を投じていくのだ。

 『ソルブレイン』、おれは2クール終了くらいまでプライムで観ていたが、苦い結末を迎えるなかなかにヘビーな話も多かった。第10話「わしら純情放火団」などはサブタイトルのインパクト、誰一人救われない結末、二重にも三重にも組み込まれた問題提起と、日曜朝の子供番組にしては重過ぎると思われる回で印象深かった。

 無遅刻無欠勤で務めていた会社を定年退職した壮年男性・岡田さん。街のチンピラに襲われていたところをソルブレインの一員・増田に救われた岡田さんは、「若い連中は我々がどんなに苦労して会社を育ててきたか知らないんですよ、ねぎらいの言葉1つなかった…」と寂しげに笑う。

 そんな岡田さんが履歴書を抱えて面接に向かった「あけぼの社」は、小さな事務所に神棚、壁に国旗を掲げた、まあぶっちゃけた話「結社」にしか見えないトコロであった。あけぼの社のリーダーである若者、須藤は「わが社の目的は日本を焼け野原にすることです!」と宣言。若い連中はあなたたち老人をないがしろにし過ぎている! 腐りきった若い連中に試練を与えてやるんです!」と。すっかりその気になってしまった岡田さん、同じく須藤の口車にノせられた老人たちと一緒に「純情放火団」を結成。「ぼくら少年探偵団」のフシにのせて替え歌を熱唱。「わ、わ、わしらは老人放火団~♪ マッチ1本愛のムチ、恨みに燃える真っ赤な炎。腐ったニッポン焼き尽くせ、Oh」。

 

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 まあその後いろいろあって、須藤の真の目的は家族を死に追いやった悪徳金満不動産社長への復讐だったとか、火炎ビンを放り投げるおじいちゃんたちを普通にビームとかで鎮圧するソルブレインとか、そもそも若い連中への復讐のはずが自分と同年代の金持ちへの腹いせに利用されていたとか、須藤は死んで老人たちは逮捕されて不動産社長だけが助かるとか、一見イイ話(そうでもないか)のあらすじの裏に隠されたいろんなアレコレが心に残りまくる1本。 『ソルブレイン』はこんな雰囲気の話が53話ズラリと並んでいるので、暇を見て残りの話もちまちま視聴していこうかと思っちょります。