ジャッカルの日

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【特集】『男! 日本海』下ネタ人名・地名全集

 『男! 日本海』に出てくる下ネタの人名や地名をまとめました。

 

 週刊漫画ゴラクで連載されていた『男! 日本海』(玄太郎・全10巻)をご存じだろうか。正式タイトルは『どはずれ諸国マン遊記 男! 日本海』。チンチンが24センチある高校生・魁 日本海が、その「八寸胴返し」「極楽棒」とも言われる巨根を振りかざしつつ、出会った女性たちとエッチをしたりコブラツイストやサソリ固めを決めたり問題を解決したりしながら旅をするという、人生に必要ないことだけで構成された快作です。


 本作の見どころはなんといっても「適当極まりない下ネタ固有名詞」。槍間久里子(やりまくりこ)だの万津里好代(まんずりすきよ)だのといったキャラや、槍萬市(やりまんし)だの尾女狐村(おめこむら)だのといった何も考えていない地名がバンバン出てくる。本当にしょうもないのだが、娯楽作品かくあるべし、頭カラッポのほうが夢詰め込める…という作者の強い主張が込められている気がしないでもない。というか、しない(これらのネーミングは連載途中から読者募集もしていたらしい)。それはそれとして単行本化されている10巻分に出てくるキャラクター、地名などの固有名詞を以下にリストアップしてみた。『男! 日本海』をテーマに卒論を書く予定の方の参考になれば幸いである。
 ちなみに『男!日本海』の典型的なストーリーは以下のようなものである。

 ・日本海のモノローグ
「前略 母ちゃん、●●市(下品な名前)に来ています」

・ボインの美女を発見する日本海
「ウホッ! ナイスバディ♡」

・自己紹介する美女と日本海
美女「わたし、●●●●(下品な名前)よ」
日本海「●●●●!? なんてスケベな名前だ♡」↓
美女「わたしの仕事をを手伝ってくれたらやらせてあげるわ」

・いろいろあってトラブルを解決したりしなかったりする

・チンポを入れてHAPPY

・おわり

 以下が各巻のあらすじとサブタイトル、各話に出てくる人名・地名・店名・社名などのリストになります。人名は太字で表記、読み方がわかるものはルビを振っています。

 

■第1巻
 貧乏寺の跡取り息子・魁日本海(高校生)は、町の有力者の花嫁との駆け落ちに失敗、勘当されてしまう。日本海伝説のスタートだ!(第1話) 第8話は伝説のペニス温泉の回。第9話ではダッチワイフ松尾こと松尾平助が登場。頭にパンティ、背中にダッチワイフを付けて公衆の面前を歩き、顔は十人並みで頭は悪く、酒乱で夜這い癖があり仮性包茎で早漏という人類ランキングで下から100位くらいの変態だがなぜか準レギュラーとなる。

 

【第1話 旅立ちの女】さきがけ日本海、森山親子、早苗たま

【第2話 巨乳の女】片岡令子

【第3話 湯の女】萬香館まんこうかん萬田香子まんだかおるこ、亀吉訓尼くんにマンション

【第4話 あやかしの女】鎌田満子(鎌田満)、玉子(玉本金造)、純子

【第5話 姫始めの女】坂田千絵、秋彦珍宝ちんぽう

【第6話 占いの女】益柿ますかき市、立花由利、時次郎、雪絵佐瀬古させこ

【第7話 春をひさぐ女】晶子(亀頭きとう淳子)、山崎、亀頭竜吉きとうたつきち

 【第8話 過疎の女】音川先生金道こんどう村、山部ウメ、和江

【第9話 金髪の女】阿鳴あなる温泉、松尾平助まつおへいすけ、モンロー、花電車のマキ、潮吹きジュン子

 

 

■第2巻
 冝保愛子だの北澤だの(第9話)お立ち台だの(第11話)、90年代初期の時事ネタがむりやり挟み込まれている。ちなみに1巻第5話の秋彦も「冬彦さん」のパロディ。この頃は地名はともかく、人名はまだ比較的普通のものが多い。


【第1話 ご奉仕の女】麻立あさだち商事、木古市もっこし麻立あさだち好子

【第2話 四つ目屋の女】瑞木ずいきヨネ、筋江、張本

【第3話 艶歌の女】矢来瀬益代やらせますよ、井尻、多原敏彦

【第4話 家庭教師の女】健太、又野蜜子またのみつこ

【第5話 婚約者の女】槍間久里子やりまくりこ横珍よこちん市、山崎

【第6話 艶殺しの女】珍保ちんぽ探偵社、珍保美貴ちんぽみき星井音子ほしいおとこ裏萬家萬古うらまんけまんこ

【第7話 お医者さんごっこの女】雁野太かりのふとし大黒真子おおぐろまこ

【第8話 陶芸の女】座面ざーめん村、小俣火妥子おまたひだこ小俣荘籠おまたそうろう、金子

【第9話 幽霊の女】尾女狐おめこ村、母保愛子、オーメン北澤、由加利

【第10話 民宿の女】渚、波夫、槍田以蔵やりたいぞう

【第11話 お立ち台の女】江楠田市えくすたし秩栗愛子ちちくりあいこ寿里穴踏狂じゅりあなとうきょう

 

■第3巻
 第2話~第4話の舞台「仙吊」というネーミングは作者のお気に入りなのか、地名・人名としてこの後もやたら出てくる。この回で日本海の本当の母親が判明したりしますが、特にストーリーには関係ないので忘れていいです。第10話「尼僧の女」のくだらなさは凄まじく、『男! 日本海』傑作選が出るなら収録必須。


【第1話 指名手配の女】山西鈴子、達也

【第2話 相部屋の女】仙吊せんづりスキー場、沢田清美、金田真

【第3話 磯巾着の女】堀鎌痔郎ほりかまじろう尾萬おまん町、珍古ちんこ通り、磯野締女子いそのしめこ

【第4話 男嫌いの女】太平洋子たいへいようこ、金田貴和子

【第5話 成人式の女】槍萬やりまん市、山科絵里

【第6話 のぞかれる女】法慶ほうけい大学、大石秀一、岩城久美子息間いきま商事

【第7話 雨宿りの女】村田桂子因毛いんもう

【第8話 仕切り直しの女】宮本花江尾奈新おなにい温泉、宮騒みやざわリカ

【第9話 張り込みの女】素又ホテル、尾鎌おかま町、変態通り、上月栗子うわつきくりこ

【第10話 尼僧の女】聖クリトーリス修道院、浅田千代あさだちよ桑江馬子くわえうまこ萬貝秩子まんかいちつこ


■第4巻
 下ネタ人名がお約束となり、作品のIQも加速度的に低下していく。日本海のライバル的なキャラ、快楽棒サオ師こと麻生鯉次郎が登場(第1話、第3話~第5話)。第5話では性豪協議会の立ち合いのもとついに両者が激突、6時間で何人いかせられるかの勝負で雌雄を決する。日本海は敵の策略で下剤を盛られるも、ウンコしながらSEXする奇策でみごと逆転した。


【第1話 欲棒の女】相賀星子あいがほしこ尻津しりつ病院、麻生鯉次郎あそこいじろう

【第2話 夜這いの女】御斜不里おしゃぶり村、秩野香ちつのかおる秩野露子ちつのつゆこ

【第3話 追われる女】助駒すけこま市、槍杉梅子やりすぎうめこ、股倉旅館

【第4話 貝合わせの女】栗野玉子くりのたまこ黒井満子くろいみつこ

【第5話 快楽棒の女】没木ぼっき市、横唐金造よこからきんぞう土手高子どてたかこ麻良まら先生、地津ちつ先生

【第6話 あぶない女】女陰峠、潮吹真子しおふきまこ

【第7話 双子の女】布栗金太ふぐりきんた、珠美、福美

【第8話 囲われる女】追惚おいぼれ町、同仁門仙吉おなにもんせんきち貫美ぬきみ波芽子はめこ

【第9話 カッパ沼の女】歩進藤勝平あるしんどかっぺい歩進藤久江あるしんどひさえ、原黒商事、原黒剛良はらぐろごうよく

【第10話 スキンヘッドの女】悦楽温泉、銭賀須貴代ぜにがすきよ

【第11話 レディスの女】中出なかだ市、笛田ふえだチヨ、オボボ化粧品、レディス魔羅、裸亞偶らあげ女組(亞は正確にはくちへんに亞)、襞利ひだりマキ

 

■第5巻
 たまに大ゴマで出てくる日本海のサソリ固めとか卍固めとかのプロレス技はなんなんですかね。第8話は作者のプロレス趣味が存分に出ている、かと思いきやそうでもないような回。

 

【第1話 フェラボクロの女】売鳥うっとり砂丘、千吊仙造せんづりせんぞう佐瀬沙世子させさせこ

【第2話 テレフォンセックスの女】股張またはり市、岡山桃子、水戸梅子

【第3話 ヒッチハイクの女】亀頭寺、原下陳太はらしたちんた生賀須喜代なまがすきよ、性心女子大

【第4話 ヤクザの女】仁義商会、辰吉課長、侠子、文太

【第5話 犬を飼う女】レックス、又倉茂美またぐらしげみ

【第6話 秘宝の女】和助、金野玉子きんのたまこ、夜叉姫栗鳥くりとり山、豆代

【第7話 旅役者の女】百々色之丞どどめいろのじょう

【第8話 仮面の女】プッシー千津乃ちつの、ファック魔羅

【第9話 強盗の女】寄刈よがり海岸、万津里好代まんづりすきよ、大股銀行、飯田課長

【第10話 上流階級の女】又小路百美子またのこうじもみこ佐瀬待子させたいこ

【第11話 宝石商の女】島利良子しまりよしこ、金玉町、米持剛造


■第6巻
 6話では日本海がついに帰郷。日本海の両親、森川親子、音川先生等の過去キャラがいろいろ出てくる。この作品に過去を振り返るという概念があったことに驚愕。

 

【第1話 剣道の女】ビジネス旅館 河咬里、河咬里珍太かわかむりちんた姫田琴代ひめたことよ

【第2話 島の女】女人おなご島、玉袋陳吾たまぶくろちんご亞鳴痔郎あなるじろう槍田伊代やりたいよ

【第3話 神頼みの女】萬光神社、布具利滑子ふぐりなめこ

【第4話 デパートの女】秩賀晴代ちちがはるよ、女体林道

【第5話 レディスコミックの女】尼久襞にくひだ市、向毛田亀夫むけたかめお大真田広子おおまたひろこ、萬子

【第6話 望郷の女】折賀進おるがすすむ

【第7話 下着の女】ヌレール、牌釣子ぱいづりこ広井千津子ひろいちつこ、横井部長

【第8話 銭湯の女】亀の湯、亀代、破奴田沈子はめたちんこ

【第9話 ボッタクリの女】須国沙世子すぐにさせこ

【第10話 雪山の女】余刈艶子よがりつやこ仁久坊示子にくぼうしめこ滑子なめこ

【第11話 受験の女】穴堀亜江木あえぎ学園市、ビジネスホテル ファック・イン、坂向先生

 

■7巻
 この巻は正直適当なネーミングが多いが、適当過ぎて逆に面白くなっている気もする。「土手茂美」なんて「土手高子と又倉茂美の両者と関連性があるのか!?」などと『男! 日本海』クラスタの間で激論が発生しかねない(しない)。「麻羅子」は第6巻第6話に出てきた折賀進の女性名。


【第1話 床屋の女】理容とこじょうず、土手茂美どてしげみオマンチョ好田、千吊益夫せんづりますお

【第2話 トラッカーの女】下口良美したぐちよしみ江ッ地えっち市、オマンコスキーズリビッチ

【第3話 商売繁盛の女】毛呂葉芽子もろはめこ腰尾振子こしおふりこ、尾万田病院

【第4話 女子寮の女】萬吊まんづり町、女尼おなに寮、盛里月代さかりつきよ濡田実子ぬれたさねこ陳保達夫ちんぽたつお

【第5話 香具師の女】穴尾湿子あなおしめこ又賀貝子またがかいこ

【第6話 座禅の女】跨毛美栄子またげみえこ

【第7話 蝶の女】黒井火妥子くろいひだこ、山の温泉宿「ちつのや」秩野雫ちつのしずく

【第8話 取材の女】御女湖おめこ村、竹尾竜子ちくびたつこ、育代

【第9話 引っ越しの女】オオマラ運送、楯野吾女たてのわれめ楯野穴代たてのあなよ

【第10話 隣の女】麻羅子、欲師丸穴子よくしまるあなこ

【第11話 記憶喪失の女】知房春乃ちぶさはるの増尾角造ますおかくぞう

 

■8巻

 閉鎖的な因習の村(第3話・第6話)、殺人だの詐欺だのの犯罪(第4話・第8話)…いろいろ物騒なことに巻き込まれがちな日本海ですが、まあこいつも性犯罪者みたいなもんなので…。「めこげし」(第9話)は元ネタがよくわからない。第8話の大黒真子は第2巻第7話のキャラと同姓同名。

 

【第1話 黄色いハンカチの女】御露女子刑務所、御萬千代おまんちよ竿滑さおなめ

【第2話 いくにいけない女】越地駅、玉夫、広下田亜奈ひろげたあな広下田ひろげたマタ

【第3話 落ちない女】夜這い村、升賀好夫ますがすきお尾尺蜂子おしゃくはちこ淫保いんぽ流拳法

【第4話 やられる女】鬼頭舐子きとうなめこ、抜代

【第5話 挑発する女】升垣幾三ますかきいくぞう小露垂子おつゆたれこ又倉貝子またくらかいこ

【第6話 はめられた女】正栗村、七五三子しめこ、珍五郎

【第7話 失恋の女】ペンション栗鳥巣、草井遊子くさいあそこ千吊せんずりの滝、菜芽子なめこ槍古やりこ

【第8話 オトリの女】大黒真子おおぐろまこ、尻穴ホテル、許井亜奈ゆるいあな

【第9話 鉄砲玉の女】女苔めごけ市、又倉埋久代またぐらうずくよ、万古組

【第10話 激写の女】真羅立まらだち温泉、直具郁子すぐいくこ金玉籾夫きんたまもみお

【第11話 ヌーディストの女】益垣、吉久糸女子きつくしめこ

 

■9巻

 ひょんなことから鳳経大学「絶倫クラブ」の面々に慕われることになった日本海。性技学博士・毛樽馬珍保とともに「伝説の遊女・お女湖」の生まれ変わりを探すことになるのだった(第2話~第7話)。温泉でダッチワイフ松尾と出会った日本海は、時価3億円の宝石「マンコの雫」を巡ってヤクザに追われることに(第8話~10巻第2話)。マンコの雫て。


【第1話 うわばみの女】穴賀滑子あながぬめこ

【第2話 ペニスキラーの女】満古寺、ペニー・シャブリ、鳳経大学、鬼頭早郎きとうそうろう

【第3話 キャンパスの女】麻老葉女子まらおはめこ毛樽馬珍保けだるまちんぽ

【第4話 幻の女】北川歌魔羅、お女湖めこ名木加奈めいきかな

【第5話 ペニ研の女】舐田なめた女子大、槍鯛曼子やりたいまんこ

【第6話 ピンサロの女】穴乃、舐子、尺八多摩男しゃくはちたまお因乱いんらん

【第7話 霊能者の女】度因乱どいんらん村、多々瀬たたせマス陰美いんび

【第8話 極道の女】大穴温泉、羽女田組、マンコの雫、萬丁まんちょ組、萬丁金玉まんちょきんたま

【第9話 山の女】原下吾女はらしたわれめ

【第10話 十万円の女】真老建造まらおたてぞう、ハメハメ社、ビラビラ 一九いく

【第11話 学生寮の女】※新キャラ無し

 

■10巻

 フェラチオの達人・矢理奈サイこと通称サイ婆が知らせる女陰島の危機! 日本海、絶倫クラブの鬼頭、薄井電機社長の薄井(城南電機の宮路社長がモデル)、浪人生の能垣の4人が女陰島に向かうが、他の3人はまるで役に立たなかった(4~7話)。日本海はかつての教え子を探す旅に出るサイ婆と同行、特に何か起きたわけではないがそのまま最終回(単行本として)を迎えた(8~11話)。


【第1話 刺青の女】※新キャラ無し

【第2話 親分の女】松葉葛市まつばくずし群田麻多代むれたまたよ

【第3話 エッチ強盗の女】万毛まんげ市、ヤリ子、シテ代

【第4話 演技する女】女隠島、矢理奈やりなサイ、薄井精史うすいせいし、はめ奴

【第5話 バスガイドの女】ヤラセ観光バス、笛良千代ふえらちよ

【第6話 予行練習の女】能垣垂夫のうがきたれお

【第7話 女陰島の女】満子まんこ

【第8話 自慰オナる女】尻穴市、木津久志芽子きつくしめこ

【第9話 縛られる女】木持好己代きもちいいよ

【第10話 ファッションヘルスの女】又津礼子またづれいこ

【第11話 よがり声の女】瀬入梨代せいりなしよ、子種温泉、穴賀濡子あながぬれこ、好夫

 

 以上です。さて、『男! 日本海』は10巻まで刊行されており、各10~11話が収録されているが、本作は読み切り・スピンオフを含めれば優に300話以上ある。つまり、単行本で読めるのは全作品中の3分の1程度しかないのだ。未収録分のタイトルについては、以下のファンブックに全掲載されている(pdf版あり)。人名辞典、地名辞典に加え作者の弦太郎先生へのインタビューも収録、研究本として完璧な力作(ていうかこんなスゴい本があると知ってたらこんな記事書かなかった)。「又倉って苗字のキャラ大過ぎ」等の気づきを得られます。

booth.pm

 

 刊行分の『男! 日本海』については、電子書籍サイトでいくらでも読める。読みましょう。おれはこの原稿を書くために10年分くらい『男! 日本海』を摂取したのでしばらくはいいです。

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スキマ

ソク読み

 

【特集】『ニンジャスレイヤー』第4部未読者に推したい10忍

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 『ニンジャスレイヤー』第4部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」はnote連載のエピソードも多く、ツイッターと比べるとリアルタイム更新で盛り上がるのがちょい難しかったりもする。とは言え、各エピソードの切れ味は第3部以前と比べても引けを取らないどころかスケールアップしているし、作品としても円熟味を増している。特に登場するニンジャの多様性は第3部以上だ。

 今回は「第4部どっから読めばいいかわからん」という人のために、個人的に好きな第4部のニンジャを10人をつらつらと挙げていく。note連載に登場するニンジャが多くなってしまったが、Twitter連載に比べてトンガったエピソードが多いのも関係しているかもしれない。

 

■アイアンアトラス

出演/「アイアン・アトラス」
所属/フリーランス

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0101 【アイアンアトラス】 ◆殺◆

ネオサイタマに生きる粗暴なニンジャ。パチンコや競馬などの賭け事やガールズバーが好きで、力が強く、辛抱しない。

  ネオサイタマで自由気ままに生きるガキ大将ニンジャである。
 大柄で怪力、細かいことは気にしない脳筋パーソナリティの持ち主。まんまジャイアンとかガッツマン。あるいはキン肉マンビッグボディを頭悪くしたような感じ(さらに!?)。陰謀渦巻くネオサイタマで、特にどこの組織にも所属することなく、好き勝手に飲み歩いたり、パチンコに興じたり、ガールズバーに通ったり、カツアゲを返り討ちにして逆にカツアゲしたりしている。とは言えただのロクデナシではなく、義には篤いしイクサも相当強い。
 note限定「アイアン・アトラス」シリーズに登場しており、このシリーズは「無知能短編」と翻訳チームが称するほどのアレである。平凡なメガネ大学生のコミタ・アクモがネオサイタマでボッタクリにあったり、飲み過ぎてゲロ吐いたり、チンピラに拉致されたりと散々な目に会うも、ひょんなことで知り合ったアイアンアトラスが助けてくれてよかったネという「ドラえもんヤンマガ編」のような雰囲気に終始包まれている。忍殺の魅力の1つであるトンチキさを突き詰めた短編であり、この調子で52話くらい読みたいですね。


■アンブラ

出演/「ビフォア・ザ・ストーム・ゴーズ・アウェイ」
所属/フリーランス(ハデスニンジャ・クラン)

◆忍◆ ニンジャ名鑑#(未掲載)【アンブラ】 ◆殺◆


 シリーズ初のコギャルニンジャである(今後もたぶん出てこないであろうと思われる)。茶髪にサングラス、ジャージ姿で武器は木製バットと、コギャルというよりはヤンキーに近い。あまり勉強ができるようには見えない。

「つまりさ、マスターは……」
「ウチらハデスニンジャ・クランをシメてる大ボスって事ッしょ?」

「ああ……数千年前ね。恐竜とかいた時代だよね、確か」アンブラは頷いた。

 恐竜は数千年前にいたと思っている。

 影を操るジツを持つ「ハデスニンジャ・クラン」のソウルを宿しており、力が暴走しかけたところを同クランの元締め、シャドウウィーヴに救われる。シャドウウィーヴはかつてその中二病っぷりとティーンらしい繊細さが人気のニンジャだったが、第3部を経て大きく成長。今ではアンブラのマスターとして、彼女と共にクランの仲間を集めているようだ。「ちょっと陰のある師匠」と「今後の伸びしろが期待される新人(コギャル)」…これは層に届く。


■インシネレイト

出演/「ライフ・アフター・デス」
所属/ソウカイヤ(シックスゲイツの6人)

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0044 【インシネレイト】 ◆殺◆

ソウカイ・シックスゲイツのニンジャ。カトン・ジツを操る。スクエアフレームの眼鏡をかけ、三つ揃えのスーツで爪先まで美意識を行き届かせている。そのインテリジェント・ヤクザ然とした外見に反し、極めて好戦的な男として知られる。

  インテリじみた外見に戦闘狂の内面を持つ狂犬ニンジャである。
 メガネにスーツ、オールバックでキメた伊達男。外見に反して凶暴かつ粗暴極まりなく、すべてを焼き尽くすカトン・ジツの使い手。
 ソウカイヤの精鋭「シックスゲイツ」に名を連ねるだけあって、玉石混交のカトン使いの中でもかなりの実力者。同じくシックスゲイツのガーラントやヴァニティのことを「オニイサン」「姉御」と呼んでいたり、強敵相手にはわりとボコボコにされていたり、(おそらく)最若メンバーのためか舎弟っぽさが抜け切れていない。本編登場前に更新されたニンジャ名鑑ではその外見が強調されていたため、ここまでチンピラだとは思いもよりませんでした。

 ちなみにメガネをかけているニンジャは少なく、劇中でも3~4人くらいしかいない。基本的にニンジャにメガネは必要ない(ニンジャになった時点で肉体の不調はよほどのことが無い限り回復する)ためで、わざわざメガネをかけているのは何らかの特殊機能が付いているか、単にオシャレのためである。こいつの場合は後者と思われるが、彼がそうしたパーソナリティを持つに至った経緯はわりと気になるところである。


■エヴァポレイター

出演/「フォ・フーム・ザ・ベル・トールズ」
所属/フリーランス?

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0133 【エヴァポレイター】 ◆殺◆

女子高生収容所の見張り塔にいるニンジャ。ジツにより目からレーザーを発射し、脱走女子高生を容赦なく原子分解する。強力だがレーザーは連射が効かず、また予備動作としてある程度の長さのニンジャサインが必要になるので、そこを狙うとよい。

 ビームで女子高生を焼き払う女子高生収容所の主である。

 第4部の短編の中でも群を抜いたトンチキさでタイムラインを騒がせた「フォ・フーム・ザ・ベル・トールズ」の敵役で、「女子高生収容所」なる施設の警備を任されている。女子高生収容所とは、その名の通りセーラー服の女子高生が終わりなき労働に従事している暗黒非合法施設。その目的は「女子高生たちの女子高生性を無為に消費させること」であり、全国から拉致されてきた女子高生たちが、深い穴を掘って埋めたり、オリガミを折らせてそれを焼いたり等の無駄な労働を強いられているという。闇カネモチの道楽にしては度を越し過ぎだろ! まだ売春組織とか殺し合いのバトルロイヤルをさせるとかのほうが理解できるよ!
 そんな女子高生収容所で、エヴァポレイターは脱走する女子高生を目から放つレーザーで原子分解させる役目を与えられている。サイバネではなくジツの一種と思われるが、当然ながら「一撃死のレーザーを放つ」なんてのは規格外の強さである。ニンジャのイクサでは最初の1回だけアンブッシュ(不意討ち。アイサツ前の攻撃)が許されているが、光速、長距離、即死のレーザー光線によるアンブッシュを回避するなど、よほどのインチキ能力を持っていないと不可能だ。要人暗殺はもちろん、イクサでの後方支援としてもこれ以上はないほどに強力なジツと言える。
 で、こうも凄まじいジツを持つ彼が、なぜよりによって女子高生収容所で女子高生を相手にしているのかは謎である。よっぽど待遇がよかったのか…。あるいは女子高生にしか効かないビームだったのか。

 

■サキュバス

出演/「ポッシブル・ドミネイション」
所属/過冬(ワイズマン)

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0087 【サキュバス】 ◆殺◆

過冬「ワイズマン」の一人。ハッカーニンジャであり、カラテ鍛錬も相当のもの。邪悪コード収集家。性別は男だが電子コトダマ空間においては旧時代の性的嗜好ライブラリを参照、男女問わず性的エクスプロイットな外見を取り、ハッキングの優位を得る。

 ネカマに特化したイケメンである。

 第四部第二シーズンの敵組織「過冬」の幹部・ワイズマンの1人にて強大な力を持つハッカーニンジャ。コトダマ空間(要は電脳ネットワーク上の概念世界)では、ハッキング対象の性的興味を刺激する姿に変身。伝説のウイルス「スケベ・ドミネイター」を相手に植え付け、スケベのことしか考えられなくなっている隙に情報を盗み出す。

 この字面の暴力としか言えないツイートは伝説級。
 ハッカー専門ではあるがカラテも相当に強く、ニンジャスレイヤーとの生身のイクサでも引けを取らなかった。ちなみに実在の姿は精悍な顔立ちの男性であり、「強いネカマ」としてヘッズの記憶に刻み込まれることになった。


■サブジュゲイター

出演/「エグゼクティブ・スプレンダー」
所属/ヨロシサン・インターナショナル

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0105 【サブジュゲイター】 ◆殺◆

バイオケミカル暗黒メガコーポ、ヨロシサン・インターナショナルの力強きCEO、ヨロシ・サトルはニンジャである。ヨロシ遺伝子所持者のニューロンに干渉するヨロシ・ジツは近接距離下で絶対の支配力を持ち、バイオニンジャは彼に歯が立たない。

  暗黒企業をホワイトに生まれ変わらせた、かつての悪役である。
 第3部では暗黒メガコーポ・ヨロシサン製薬のバイオニンジャとして登場。いずれ自分がCEOにならんとする野望を秘めた、鼻持ちならないエリート意識と上昇志向を持つイヤな奴であった。ヨロシサンの上部にはその野心を見ぬかれた上でいいように扱われており、ブッダの手のひらで泳がされる哀れな男という印象も強かった。
 そんなサブちゃんだが、第4部では見事ヨロシサン・インターナショナルのCEOにまで登り詰めている。カイシャを経営しているニンジャの多くが理不尽な暴虐を社員や顧客に強いているのに対し、ヨロシサン・インターナショナルは超ホワイト企業! …というわけでもなかろうが、少なくともモータル・ニンジャ問わず部下はしっかり労わったうえで評価するし、地元住民と問題が起きれば菓子折りやドゲザ・パラシュート部隊で詫びを入れるし、暗黒メガコーポとは言え搾取するだけの邪悪な企業ではない。むろん、CEOを狙う不届き者がいれば自ら返り討ちにする。第4部で多くのニンジャが成長を遂げた中、彼がここまで株を上げるとは誰が予想しただろうか。同じく社長として奮闘している今のサワタリと対峙してもらいたいものだ。

 

■タランテラ

出演/「アイアン・アトラス・ブラックアウト!」
所属/ツチグモ・ギャング

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0102 【タランテラ】 ◆殺◆

ネオサイタマのフーディーギャング「ツチグモ・ギャング」の頭目のニンジャ。カタナを常に持ち歩き、殺人を容赦しない危険なニンジャ。

 耐久力以外に見るべき点がないチンピラである。

 チンピラ集団「ツチグモ・ギャング」のリーダー。黒いフード装束、メンポやアジトの装飾にあしらったクモの意匠、「~だヨ」「~でショ」など語尾がカタカナになる喋り方、タランチュラではなくわざわざ「タランテラ」を名乗るセンスなど、厨二っぽさが隠しきれていない。
 彼の魅力は恐ろし気な外見や言動に反してメチャクチャに弱いところにある。アイアンアトラスのライバル的な立場になるかと思われたが実力は雲泥の差で、2回対峙して2回とも何もできず一撃で倒された。また、敵対ギャングのニンジャ・テラートリガーには手も足も出ないまま2発でKOされてしまっている。対ニンジャのイクサで何もできないまま3連敗しているのはこの人くらいなもんである(普通1回負けた時点で爆発四散するため)。

 タランテラが考えるところの「残忍な所業」もその辺の一般人とたいして変わらなかったりするため、ヘッズからは「自分をニンジャと思い込んでいるただのチンピラなのでは?」とかわいそうな人扱いされていた。今後もポンコツライバルとして活躍してほしい。

 

■ツインテイルズ

出演/「クルセイド・ワラキア」
所属/フリーランス

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0119 【ツインテイルズ】 ◆殺◆

フエの演奏で路銀を稼いでいた路上生活パンクス女に、ネコニンジャ・クランのソウルが憑依。しぶとく生き残り、現在はオー・オーと旅をしている。レッサー・ゼゲン・ジツを使う他、ネコと会話して操ることも。重度のハッパ愛好者で匂いがすごい。

 冗談みたいに属性過多のネコネコニンジャである。

 note限定公開の長編「クルセイド・ワラキア」に登場するパンクス女ニンジャ。重サイバネながらショタ属性の相棒、オー・オーと手を組み、吸血鬼ブラド・ニンジャの支配下にあるネオワラキアへとやって来たあげく、いろいろ大変な目に会う不憫キャラ。
 相手を魅惑するゼゲン・ジツの使い手であり、フエで猫を操る力を持つ。猫又を意識したと思われるデザイン、ハッパ中毒、語尾に「ニャー」を付けるスゴイ・アザトイ喋り方、体臭がキツい(獣臭)等、その属性は過多の一言。現時点でかなりのウキヨエ(ファンアート)が描かれている人気者。ファンアートのアーカイブ、ネオウキヨエ空間でも多様なツインテイルズが見られるよ。

 髪型はツインテール派が半分くらいと思われます。
 ちなみに第3部の時系列ですでにニンジャであり、猫爆弾で市役所の爆破を企んでいたがニンジャスレイヤーに阻止された模様。4部が3部から約10年後なので、「クルセイド・ワラキア」時点ではどう若く見積もっても20代後半と思われるが、それで「ニャー」とか言ってるのもカワイイだ。


■ベンガルタイガー

出演/「ドラゴン・ドージョー・リライズ:奮闘編」
所属/フリーランス

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0084 【ベンガルタイガー】 ◆殺◆

キョート出身の粗暴なるニンジャ格闘家。カラテ群雄割拠時代となった月破砕後の世界で、ニンジャとのカラテ戦闘に勝ち続け、力をつけていく中で、己の力を過信するようになっていった。

 一見、粗暴ながらお人よしの面も見え隠れするカラテ求道者である。
 ユカノことドラゴン・ニンジャは、かつてからの悲願であった自らのドージョーを岡山県に復興する。地道な活動のおかげで住民からの支持も得られるようになり、入門者も少しずつ増え、ドラゴンニンジャ・クランの後進育成も順調かと思われた。が、善意のスポンサーが付いたことで「健康志向」推しや「通信カラテ」、派手なコマーシャル展開など、ドージョーの経営はいつしかおかしな方向に。かつて道場破りを挑むもユカノに敗北したベンガルタイガーはこの状況に激昂し、サツバツナイトことかつてのニンジャスレイヤー、フジキド=ケンジをセコンドにつけてユカノに再度カラテ勝負を挑む。
 リアルニンジャと打ち合えるだけあって、ベンガルタイガーは相当に強い。最初の登場ではいかにもな悪役だったが、殺しあいではなく試合形式に則ったカラテ道を追求しているようで、いわゆる「粗にして野だが卑ではない」タイプ。道場門下生とのカラテ勝負でも致命傷は与えないよう手加減していたり、ユカノのSNSにわざわざ動画コメントで挑戦状を叩きつけたり、女の子を泣かせてしまい意気消沈したりと、根は邪悪ではないことが伺える。フジキドに直接指導を受けた数少ないニンジャでもあり、再登場の際にはさらなる成長を遂げているであろう。

 

■ロングゲイト

出演/「ヨグヤカルタ・ナイトレイド」
所属/コウ・タイ・シュメイ社、サンズ・オブ・ケオス

◆忍◆ ニンジャ名鑑#0013 【ロングゲイト】 ◆殺◆

コウ・タイ・シュメイ社のエージェントとして世界を飛び回るニンジャ。カゼニンジャ・クランのソウル憑依者であり、ソニック・カラテの鍛錬を積んでいるほか、サツガイから短距離テレポート能力「マバタキ・ジツ」を与えられている。

 営業力、交渉力にニンジャスキルをつぎ込んだ邪悪サラリマンである。

 国際企業コウ・タイ・シュメイ社のエージェント。相手を接待すること自体が好きなようで、浮浪者にはお金を施し、貧しい子供達にはフルーツを与える。その気前の良さから「あれ? この人ニンジャとしてはかなり控えめで邪悪でないほうでは?」と思いかけてしまうが、取引先のニンジャには生娘20匹を渡している。相手が喜ぶものならなんでも与えてしまうのである。この「コミュニケーション能力は抜群なのに、他者への共感性が薄い」点がいかにもニンジャ的でゾクゾクする。

 彼は第4部第1シーズンの主要的組織、サンズ・オブ・ケオス(以下SOC)の一員。SOCのニンジャの特徴として、自前のジツ・カラテに加えて「サツガイ」なる人物から与えられたもう1つのジツを使いこなす点が挙げられる。 ロングゲイトの場合、自前の「ソニック・カラテ」とサツガイから与えられた「マバタキ・ジツ」を見事なコンボで使いこなしており、どちらも過去に登場したジツであることも相まって印象深い。SOCにはモータル社会に溶け込んで生活しているニンジャも多く、そういう面でもロングゲイトはSOCを代表するニンジャと言える。

 

 以上です。推しを集めたらチンピラじみたのが6人と半分以上になってしまったが、彼らのほとんどが今も生存中で元気に大暴れしている。ニンジャの魅力は刹那的にて享楽的、死ねば爆発四散してチリも残さぬ太くて短い生きざまにあると思うが(不老なのに)、第4部ではこうしたチンピラ連中にもちゃんと“居場所”が残されているのが良いですね。あと今回は漏れましたがブルハウンド=サンには強く生きてほしいですね。

 

ダイハードテイルズ

https://diehardtales.com/n/nd9ea95a7fd60

ミリオン出版・B級ニュースマガジン「GON!」を適当に紹介する

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 ミリオン出版が消えてしまう~~~ッ! というニュースで思い出したのが、大学時代アホみたいに熟読していた雑誌「GON!」である。B級ニュースマガジンと銘打ち、出どころの怪しいウワサ…芸能人情報からアンダーグラウンドネタ、怪奇な都市伝説など、なんでもかんでも扱っていた。その他にもVOWな街ネタ、体当たり検証企画、幅が広すぎる有名人インタビュー、漫画・映画・ゲームのレビュー、ただのエロ記事、何1つわからない怪文書など、とにかく「面白いものなら何でもアリ」を地で行く雑誌であり、おれが今の仕事に就いているのも、同人誌などに参加しているのもすべて「GON!」の影響が大きい。

 

 具体的にどういう雑誌だったのか、実際に見てもらったほうが早いと思うので、適当に1冊抜き出してパラパラとめくっていってみよう。久しぶりに本棚から引っ張り出して読み始めてしまったが、時間泥棒どころじゃねえんだよな。

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 はい、2000年4月号の「GON!」です。定価390円。表紙には「日本一汚い川綾瀬川に巨大怪魚を発見!」「江古田のファミレスに古代人が出現!」「ジャンケン脱衣ゲームに暴力画像が!」「痛みなんか忘れさせてくれる歯医者のサービスとは?」等のうろんな文字列が並んでおり、「何一つ人生の役に立たないことしか書いてありませんよ」と親切に教えてくれている。こーいうのがコンビニに並んでたんだからいい時代だったよな。

 

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 表紙を開くといきなり桃井はるこインタビュー。「ネクラなエンクミ(?)、アキバに参上!」の惹句がイイですね。「GON!」は地下アイドル発掘&追っかけみたいなことを当時からよくやってた印象。

 

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 巻頭企画は「封印特撮大検証」。桃井はるこからいきなりコレかよ! 『獣人雪男』『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』『緯度0大作戦』などの映画、「怪奇大作戦」「ウルトラセブン」のお蔵入り回、アニメ「タイガーマスク」「猫目小僧」などにも触れている。

 

 

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 続いては「トロピカルフィッシュを食べよう!」

 

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 ピラニア、エンゼルフィッシュ、ネオンテトラといった普段は食べないような熱帯魚たちを、香草焼きやフィッシュアンドチップス、寿司などにして喰らう企画。感想は「食えないことはないけど淡泊」「同じ金で寿司食いに行った方がいい」とのことです。そりゃそうだ。

 

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 「壊疽により手足を失った稀代の名女形 三代目沢村田之助激動の生涯」。アイドル、特撮、グルメと来て、急にこういう記事を脈絡なく突っ込んでくるのが「GON!」の良さです。書き手が好きな事しか書いてない感が全体から漂っているのが最高。

 

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 デタラメ極まりないように見えて、わりと本編の描写を忠実になぞって膨らませている妄想ガンダム連載「ガンダム斜眼」。これ、メチャクチャ面白かったのでまとめて単行本で読みたいですね。

 

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 「GON!」は読者との交流を大切にしており、「編集部に遊びにおいで!」と称して毎月編集部を読者に開放したりしていました。すげえな。読者投稿コーナーも豊富。「TVドロンジョ」は嫌いな芸能人の悪口が延々書かれているだけの人気コーナー。

 

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 純粋なネタ投稿ページ「おはがきスタジアム」は、先鋭化が進み過ぎて「笑いの無いバカサイ」みたくなっていましたが、これまた猛烈に面白いのよ…。

 

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 体当たり検証企画の1つ「学生服を着て18禁スポットに行こう!」。この辺、今のYoutuber、一昔前のテキストサイトのノリに近いかもしれません。現在ならマッハで炎上しかねないネタも大量に行われてましたが、本当に炎上した案件(アイコラとか)はほとんどなく、そこんとこに編集部のバランス感覚が伺えます。

 

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 「韓国エロビデオ徹底解剖!」。このネタだけで本1冊作れるだろ、というアイデアが毎号ポンポン惜しみなく載ってるよなあ。

 

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 「100円化粧品 その実力を大検証!」。100円ショップで売っているような化粧品て実際どーなの? という検証記事。ここまで見ていただいてお分かりの通り、ネタのバリエーションの広さがほんとハンパないんですよね。まさに雑誌、雑も雑。全体的にフォントも異様に小さく、読みやすさよりも情報詰め込むほうが第一じゃい、という気概を感じます。

 

 で、今紹介したのはこの号の5分の1以下でしかないわけですよ。こんな濃さの記事が毎月大量にポンポン読めたんですよ! 改めてすげえよ「GON!」は。

 時代の流れ、というかおそらくインターネットの台頭もあり、エロ雑誌への路線変更の後に消滅した「GON!」ですが、その遺伝子は「実話ナックルズ」等に受け継がれている。はずである。「GON!」の流れを継ぐモノ、具体的に追ってみればわりかし興味深い内容になりそうだな~と考えてます。おれ、路線変更前の「GON!」は数冊を残してほぼコンプリートしていたはずなんだよな~。いずれ「GON!」全記事クロニクルみたいな企画をやってみたいが、何年かかることやらという気分です。いつかやりたいよな~。